イザナキ、イザナミの二人の神様は、国生みが終わると、次に、
住居に関わる神、海の神、河の神、水に関わる神、風の神、木の神、山の神、
食べ物の神など、たくさんの神様、八百万(やおよろず)の神様を生みました。
そして、最後に生んだのが火の神様、カグツチ
産む時に、イザナミは、大やけどをおってしまいます。
そして、亡くなってしまうのです。
イザナキは、嘆き悲しみ、イザナミを忘れることが出来ず
黄泉国(よみのくに:死者の国)にイザナミを連れ戻しに出かけます。
黄泉国にたどりついたイザナキは、閉ざされた扉の前で、声をかけます。
「イザナミ、美しき我が妻よ!まだ、国造りは、終わっていない。
さぁ、一緒に帰ろう!」
すると、闇の中から、イザナミの声が聴こえてきました。
「イザナキ、もう少し早く迎えにきてくれたら良かったのに。
黄泉国の食べ物を食べてしまったので、私は、帰ることができないの。
でも、あなたが迎えにきてくれたのだから、黄泉の神々に頼んでみます。
だから、その間、決して私を見ないでくださいね!」
「わかった。待っているよ。」
そう言ったものの、なかなか戻ってこないイザナミに
待ちきれなくなったイザナキは、扉を開けて中に入り、
束ねた髪に刺していた櫛の歯を1本折って、火をつけました。
そして、イザナミの声がしていた方に灯りを向けると
そこには、イザナミの腐乱した死体が...
「うわぁ~」驚いた、イザナミは一目散に逃げ出しました。
それを見たイザナミは、「よくも、私に恥をかかせたわね..」
怒り狂い、黄泉国の兵隊を連れて、イザナキを追いかけました。
逃げるイザナキは、追いつかれそうになると頭に着けていたつるを
投げて、ブドウに変えて、卑しい黄泉国の兵隊の足を止めたり、
櫛を投げてタケノコに変えたりしました。
ようやく、イザナキは黄泉国の出口の黄泉比良坂(よもつひらさか)
近くまで、逃げてきましたが、まだまだ追いかけて来る、イザナミと黄泉国の
兵隊に、黄泉比良坂の傍にあった桃の木の実を投げつけ、撃退しました。
それでも、イザナミだけは、追いかけて来ますので、イザナキは、
怖くなって、出口を大きな岩で塞いでしまいました。
「ふぅ」とため息をつくイザナキに、大きな岩の向こうからイザナミは
恐ろしい声をあげます。
「愛しいイザナキ、あなたが、こんなひどい仕打ちをするなら、
私は、あなたの国の人々を一日に千人、絞め殺してやるわ!」
「愛しいイザナミよ、お前がそんなことをするなら、
私は、一日に千五百の産屋を建てることにする!」
二人して国造りをされていたイザナキ、イザナミは、このようにして
決別されてしまいました。
これ以降、一日に必ず千人の人が死に、必ず千五百人の人が生まれる
ようになったそうです。
これが、激しくも、恐ろしい、日本で最初の夫婦げんか なのです。
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